酒のおはなし No.021 [2020.7.3]

映画ジャンル別にみるお酒とおつまみの相性


最近、家で夜な夜な映画を見る機会が多くなっています。今更ながらアマゾンプライムは便利ですね。テレビで映画が観られるなんて!!職業柄、家で映画を観る時でも何のお酒を飲もうか、あれやこれやと拘ってしまいます。色々試した結果、その時の気分というよりは、映画の内容によって何を飲むのか決めるのが良いのでは?という結論に。カッコよく言うと映画とお酒のマリアージュです。最近観た映画とお酒、おつまみも一緒にご紹介します。

● スリリングなスパイアクションと個性的なアイラのシングルモルト

スパイアクションと言えば「007」、シャンパンの「ボランジェ」はジェームズ・ボンドの御用達として有名ですね。「007」の大人感溢れるプレイボーイぶりに男子としては憧れるんですが、私はミッション・インポッシブル派です。トムクルーズ演じるイーサン・ハントの人間離れしたアクションとIMFのハイテク機器を見て、格好いいー!って思わず唸ってしまいます。相棒のベンジーも良い味出してます。あの音楽も何が起こるかワクワクさせますよね。中でもシリーズ5作目のローグネイションが最高傑作です。スリリングなストーリーと目を離せないアクション、最後のどんでん返しには、うわっ、やられた!と思います。こういうスリリングなスパイアクションには、個性的なアイラ島のシングルモルトウイスキーがしっくりときます。大西洋の荒波を想わせる力強さ、ピート(泥炭)のスモーキーさとヨード(海藻)の香りが薬臭くもありグリップの効いた味わい。決して万人受けする酒ではありませんが、一度虜になるともうこのお酒から抜けられません。モルト通には邪道と思われるかもしれませんが、グラスの中にロック氷を数個一緒に。(モルト通はストレートwithチェイサーかトゥワイスアップでしょうか)こういう映画はなかなかお酒を飲むタイミングが難しい。ハラハラ、ドキドキするシーンの合間に、今だ!というタイミングでカランコロンとグラスを回し、くいっと液体を喉に流し込みます。アルコールの強さと氷から溶け出した冷たい水が完全に混ざりきらない具合が丁度良い。相棒には、美濃屋のスモーク柿Pが良い味出してます。柿Pと燻製されたピーナッツを一緒に食べるとスモークチーズの様です。合わないはずがありません。鍛え上げられた肉体とハンサムな顔立ちのトムクルーズをイメージするとアイラの中でも華がありスマートな「カリラ」が適任でしょう。

映画『ミッション・インポッシブル ローグネイション』
お酒『カリラ9年 ジェームズ・イーディー』
おつまみ『美濃屋 スモーク柿P』

写真

● ハッピーエンドなロードムービーと癒しのアイリッシュウイスキー

夜中にゆったりとした展開のロードムービーはいいですよね。寝そうで寝ない位の程よい抑揚。(いつの間にか寝てしまっていることも多々ありますが・・)最後は心温まりハッピーエンドで終わるストーリーが好きです。
最近観た映画の中では、「シェフ」がお気に入り。レストランの三つ星シェフが色々あってワゴン車でキューバサンドの屋台を始めます。マイアミからLAまで息子と仲間と旅する話です。映画の中で息子に作るチーズたっぷりのシンプルなホットサンドや彼女に作るオイリーでジューシーなペペロンチーノがなんとも美味しそうで見ていてお腹が空く映画でもあります。監督、主演も務めるジャン・ファブローの包丁裁きも見事です。所々にググッと引き込まれるシーンがありますが、映画全体は景色の良いなだらかな丘陵地をゆったりとドライブしているような印象です。ラテン系のミュージックが流れそれが何とも心地良い。飲むお酒は、どことなく田舎っぽく親しみ易さを持ち、まろやかな甘さ、そして穏やかな飲み口、癒しの味わいを持つアイリッシュウイスキーがおすすめ。アイリッシュウイスキーは「カネマラ」という銘柄を除きピートを焚かない麦芽を使い3回蒸留するのが伝統的な製法でスモーキーな味わいにならずに軽快で飲み易いのが特徴です。中でも甘くまろやかで飲みやすい「タラモアデュー」あたりがおすすめです。一緒にキャラメル味のポップコーンがあればもう完璧です。少し濃い目に作ったソーダ割りがおすすめ、ゆっくりとストレートで嗜むのも良いですね。

映画『シェフ』
お酒『タラモアデュー』
おつまみ『キャラメルポップコーン』

写真

● ジャパニーズコメディと軽快なレモンサワー

ジャパニーズコメディと言えば、三谷幸喜監督。三谷監督の作品は、大きなハプニングは起こらないものの、クスクスっとした笑い、そして次に何か起こるのではないかと期待させる展開がたまらないです。中井貴一が演じる内閣総理大臣が記憶喪失になる『記憶にございません』面白かったです。こういった映画は、タイミングを気にせずにお酒におつまみに手を伸ばせます。夜中でなくても週末の昼下がりでもいいですね。軽快に飲めるレモンサワーがおすすめ。柑橘の爽やかな酸味と炭酸ガスで味わいの重心は高め、爽快さとほんのり優しい甘さ、アルコール低め、引っかかりがなくスイスイ飲めるのがポイントです。あまりレモンサワーを飲まないのですが、『檸檬堂』が気に入ってます。以前は九州でしか買えなかったようですが、今は近くのコンビニでも購入可能です。最近のサワー情勢を見るとアルコール高めのストロング系が断然人気があるようですが、ライトユーザーの私はアルコール5%の定番レモン。おつまみは、戸棚に入っていた白エビのせんべい。せんべいの塩気とレモンの相性抜群でした。こういう時には特に何も考えずに飲んで笑うに限ります。

映画『記憶にございません』
お酒『檸檬堂 こだわりレモンサワー』
おつまみ『白えびあられ』

写真

皆さんもぜひ色々と試してみてください。



[営業本部]  石渡敏


酒のおはなし
COLUMN