君嶋屋の創業は明治25年。江戸時代に開発された吉田新田地区、 その守り神である「お三の宮日枝神社」を中心とした賑やかな町場にありました。
やがてその一帯は昭和初期に横浜一の商店街に成長します。 当時の君嶋屋は港や近隣で働く男衆が集まる「角打ち」を主な商いとしており、1983 年に現代表の四代目君嶋が家業を継いだ頃も、下町の人情味あふれる愛すべき地元の酒屋でありました。
当時の代表は、言わば「酔うための酒」を売る日常に疑問を感じておりましたが、ある時、知人から1杯の日本酒を勧められます。それが人生を変えた酒、満寿泉の大吟醸でした。 日本酒のイメージを覆す感動は「本当に旨い酒を売る酒屋」への決意となり、真摯な想いとポジティブマインドで何度も蔵元まで足を運び 続け、「満寿泉」「〆張鶴」「天狗舞」および神奈川の地酒を取り揃え、 新たな営業活動を開始します。
お客様の反応は賛否ありましたが、弊社の取り組みを高く評価下さる方も次第に増えていきました。 80 代後半には商売の傍らで、意識の高い食のプロ達を招いた試飲会や勉強会を開催、ここから多くの学び、素晴らしいご縁や機会に繋がっていきました。更にワインを学び、海外生産者との交流にも積極的に取り組むようになります。 その土地の風土気候を生かし、素材を慈しむ生産者の想いを共にしていくことで、次第に食文化に根ざした酒、日本酒・焼酎・ワインを中心とした横浜君嶋屋の食中酒専門店としてのセレクトスタイルが確立されていきました。
90 年代に入り、ホテルや有名レストラン様とのお取引も増えていきました。横浜君嶋屋として納得のいく、良心的で優れた品質のワイン を提供するため、1997 年にフランスワインの直輸入を開始します。 また、国内外での酒の普及活動に力を入れながら、広く一般の方にお酒を楽しんで頂けるよう、2006 年に丸の内店(現銀座店)、2016年に恵比寿店をオープンさせます。 バックボーンである角打ちを取り入れる事で、販売スタイルやイベント開催などに広がりが出て、人とお酒の新たな出会いの場を提供できるようになりました。