酒のおはなし No.019 [2019.12.23]
二日酔いのない人生を目指して
飲兵衛のみなさま、いかがお過ごしでしょうか。
営業部サポートの野崎です。
年末年始のこの季節、つい杯が進んで、進みすぎてしまいます。そして次の朝には頭痛や吐き気、身体のだるさに悩まされる方も多いのではないでしょうか。私たちのようにお酒の業界で働いている者もどうしてもお酒とふれあう機会が多く、ついつい飲みすぎて二日酔いに苦しむ事もあります。いわば職業病です。二日酔いに苛まれているその時には「もう2度と酒なんて飲まない」と誓っても、その夜には手が勝手にグラスに伸びてしまうのは私だけではないはずです。
そんな二日酔いを避けるためにそれぞれ自分なりの対処法を持っているかと思います。ただ果たしてその対処は本当に二日酔いに効果があるのでしょうか?効果がないならまだしも、逆に悪化させてはいませんか?今回は私が知っている限りの二日酔いへの対処法の勘違いを紹介していきたいと思います。
~運動~
飲みすぎた翌朝、摂取しすぎたアルコールを外に出そうとジョギングやスポーツジムに行くという話をよく聞きますが、これは間違いです。
アルコールは肝臓で頭痛や吐き気の元であるアセトアルデヒトという物質になって血中に入ります。この物質は汗となって体外に排出される事はありません。汗をかくことによって血中のアセトアルデヒト濃度が高くなってしまいます。
ただでさえアルコールには利尿作用があり頻繁にトイレに行くことになり、体内の水分は少なくなります。それによってさらに頭痛が酷くなったり、ひどい場合は意識を失ってしまう事もあります。
気分転換の軽い運動はいいですが、汗を大量にかくほどの激しい運動は避けましょう。
~入浴、シャワー~
二日酔いの時は風呂に入って汗を流してスッキリするという人もいますが、それも勘違いです。理由は運動と同じで汗をかきすぎると体内の水分量が減り、アセトアルデヒト濃度が高くなってしまうからです。
それでもスッキリすると言う人はいると思いますが、それは時間経過によって体内のアルコールが処理されているからです。
二日酔い時はきちんと水分補給をして、少しぬるめのお湯に浸かるくらいにしましょう。
また、「次の日にお酒を残さないように」と飲酒直後に入浴するなんてこともやめましょう。
入浴によって身体が温まったことにより、ただでさえ飲酒によって良くなっていた血行が、さらに良くなり、より酔いが進んでしまいます。そのせいで平衡感覚を失い転倒してしまう可能性もあります。
飲酒後はシャワー程度で済ませましょう。
~コーヒーを飲む~
二日酔いの時は頭がぼーっとするものです。それを解消するためにカフェインを含むコーヒーを飲んで頭をスッキリさせるという人も多いでしょう。コーヒーの苦味や香りで、二日酔いの口の中の気持ち悪さを洗い流したい気持ちもわかります。同時にコーヒー水分補給をとろうという人もいると思います。ですがやはり、カフェインは利尿作用があります。水分補給どころかコーヒーを飲むことでさらに脱水症状が進んでしまい、頭痛や吐き気が進んでしまうのです。
~水分補給方法~
上で書いたようにコーヒーでは水分補給としては逆効果になりかねません。
また水をひたすら飲むのもコーヒーよりは良いですが不十分です。
人の身体は汗をかくときに水分と一緒に塩分等のミネラルも排出します。その時に水やミネラルウォーターばかりを飲んでも血中の塩分濃度が低くなり「水中毒」という症状に陥ってしまいます。
運動をしない限り激しく汗はかかないにしろ、人は常に汗をかくものです。なので水分補給の際にはスポーツドリンクを飲んだり、水を飲むときは塩のタブレットを摂取するようにしましょう。
お酒を飲むときはスポーツドリンクではなく水をお酒と交互に飲むことによって体内のアルコール濃度を低く保ちましょう。
また二日酔いの時にお味噌汁を飲みたくなりますが、あれはお味噌汁に含まれる水分と塩分を自然と身体が欲しがるからです。身体は必要なものを美味しく感じるのです。欲しがりですね。
お味噌汁を飲むときはシジミが入ったものにしましょう。シジミにはオルチニンという成分が入っており、このオルチニンには解毒作用があったり、肝機能を高める効果があります。
つらつらと長くなりましたが、要するに
・汗をかきすぎるな
・水分補給はしっかり
・塩も摂れ
という事です。
二日酔いに1番効果があるのは時間経過と水分補給です。
安静にして寝るという動物園の動物のような時間を過ごせば自然と二日酔いも解消されていくでしょう。
皆さんも二日酔いの時には今回紹介したことを意識して、ステキな飲酒ライフを送りましょう!
[横浜店] 営業部 野崎
酒のおはなし
COLUMN