酒のおはなし No.018 [2019.11.21]

ワインとの出会い、ボジョレーの日に。


横浜本店に努めるUです。中途入社7年目の男性です。僭越ながらワインと自分との出会いと歩みを書いて行きたいと思います。最後に今年のボジョレーのご紹介もしていますのでどうぞ最後までお付き合い下さい。

私とワインの本格的な出会いは18年くらい前に遡ります。当時新社会人として、リゾートホテルにて働いていた私がレストランに配属になった時に取り扱ったのが最初でした。 日本料理のレストランだった為か、ワインの種類も白、赤三種類ずつ、ロゼが一種類くらいでそんなに多くなかったのを覚えています。 しかもレストランの性質上、日本酒の注文の方が圧倒的に多く、ワインの注文が入ると、ワインオープナーでワインを開けるのに四苦八苦していたのも今では良い思い出です。
そのような状況に置かれていた為か、ワインに対して「レストランにあるドリンクリストの中の一つ」程度にしか感じておらずあまり積極的に飲みたいとは思いませんでした。

赤ワイン

それでも少しはワインを覚えないと思い、名前は忘れましたが、赤ワインのチリのカベルネソーヴィニヨン(冷蔵庫の中でキンキンに冷えた(笑))を飲んだ所、 渋みが強すぎて思わず吐き出しそうになり、「赤ワインは渋くて飲めない」と思い込んでしまう出来事がありました。ご存じの方も居ると思いますが、 赤ワインの渋み成分は緑茶などにも含まれる「タンニン」でして低い温度帯ではより強く感じてしまう成分です。

赤ワインは冷やし過ぎると折角の香りが閉じてしまい、渋みが増してしまいバランスが崩れてしまいます。 後程ワインの勉強をする過程でその事が分かった際、あの時のチリカベ、本来はどんな味だったのだろうか?こんな状態のワインをよくもまあお客様に提供出来たなと反省しきりでした。

初めて飲んだ赤ワインが、チリカベに対して白ワインはドイツワインで「オッペンハイマー」でした。ドイツの中甘口のワインはまだまだお子ちゃまの味覚だった私には丁度よく、素直においしいと感じました。この頃務めていたレストランでは年輩の方の利用が多く、若い頃から甘口のドイツワインをたしなんでいた為か、よく注文を頂いた覚えがあります。 口当たりがフルーティで渋みのない中甘口のワインは初心者にもぴったりです。今でもワインをこれから飲んで勉強したいと言うお客様にはこういった口当たりのいいワインをお勧めすることがあります。

誰しも最初から全てワインが美味しく感じられるかと言うとそうではないと思います。 まずはワインを好きになって貰えたらと考えて、そのお客様に合ったベストなワインをお客様との会話を通してセレクト出来るよう心掛けております。  話は逸れましたが、当時ワインに対して中途半端な接し方をしていた私がワインにどっぷりハマる出来事が起こります。これを書いている今日この日、ボジョレーヌーヴォーの解禁日が私のワイン人生を決めるターニングポイントになったのでした。

ボジョレー

そのお話はまたの機会にさせて頂くとして、先に今年のボジョレーについて少々。
春の霜と夏の雹の影響でぶどうの収量は落ち込んだものの、8月後半から9月の始めは好天に恵まれぶどうの成熟は一気に早まりました。 2019年ヴィンテージは、生産者にとっては厳しい年となりましたが、ワインそのものの出来は有望とされています。 ボジョレー委員会の発表によりますと「ぶどうのフレッシュさ」に溢れ「糖と酸がバランス良く」整い「熟成の可能性は魅力的」。いつも以上にそれぞれの生産者の腕がワインの出来に直結する年と言えそうです。



[横浜店] ワイン担当 U


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