酒のおはなし No.015 [2019.10.15]

おすすめ焼酎蔵 白石酒造様


はじめまして、横浜君嶋屋に勤めて十数年、お酒全般と料理が好きな男性スタッフです。 今回は、私のおすすめの焼酎蔵を一つご紹介したいと思います。

鹿児島県いちき串木野市に蔵を構える明治27年創業の『白石酒造』。

東シナ海沿いに位置するいちき串木野市は古くから貿易の港があり宿場町として栄えた為、今でも6つの蔵が残る焼酎の町で、蔵の裏手には海が広がり浜辺にはウミガメが産卵にくるほど自然豊かな土地です。 蔵の中には地中に埋まった素焼きの甕がたくさんあり、蔵由来の酵母の影響を受けながらもろみを育て、自然換気の麹室で味わいの要である麹造りを行います。蒸留は錫製の蛇管で手料理のような味わいの原酒が生まれます。


五代目当主 白石貴史 氏

私が蔵を訪問したのは数年前になりますが、白石さんの焼酎に対する探究心は蔵の横にある研究室を見ても分かる通り、ものすごい熱量でお話ししてくださるので時間が経つのがあっという間だったのを覚えています。

白石酒造と言えば代表銘柄『天狗櫻』!お湯割り最高、芋の甘み、キレ味ともにバランスよく今の時期にピッタリだと思います。無農薬、無肥料の自家製黄金千貫芋だけでなく、原料米も地元農家の無農薬栽培米を使用した、ものすごい拘りと努力で生まれた芋焼酎。

天狗櫻にはスタンダードな物と季節によって出荷される季節限定商品の他に、白石さん自ら土地を耕し芋を育てて造られる “開墾畑シリーズ”という限定物があります。 その土地ならではの芋の味わいを表現するということでワイン用語で言えばテロワール、そして単一畑から造れる芋焼酎は土壌の性質の違いがそのまま味わいにも出るのでワインの造り手も唸る芋焼酎だと思います。原料にとことん拘った芋焼酎、是非お試しください。



[横浜店] 岩田


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