岡野亭の料理レシピ [2019.09]
横浜君嶋屋マリアージュコラム No.007
焼き茄子ペーストの出汁ジュレ添え
茄子の旬は露地ものが出回る7月から9月。茄子は和洋中、エスニック風と、様々な料理に出番の多い万能な野菜です。原産地はインド東部が有力説とされ、5世紀以前に古代ペルシャやアラビア半島へ、また東南アジア、チベットから中国へと幅広い地域に広がりました。日本でも奈良時代には既に作られていたといわれ、平安時代に編集された朝廷の儀式や作法、事務手続きなどの格式集『延喜式(えんぎしき)』に栽培方法が紹介されています。
そして江戸時代に入ると茄子は大人気の野菜となり、初物好きな江戸っ子の間で初物四天王の一つとして扱われていたそうです。生産者も促成栽培の工夫をこらしいち早く初物として出荷しどんどん高値で売買されるようになったため、幕府が度々初物禁止令を出していたという記録も残っています。(農林水産省HPより抜粋)
今では一年中購入できる茄子ですが、体内にこもった熱を排出する優れた効果もあることから、やはり旬の夏にいただくのがベストです。そして朝晩に秋の気配が感じられる晩夏から秋にかけて、皮がわらかく身が引き締まる秋茄子の美味しさも逃せません。
今月のレシピはちょっと手間をかけたおしゃれな茄子の肴です。
材料 ・茄子 4本・青柳の小柱(ホタテでも可):酒蒸し(下記作り方参照) 適宜 ・出汁(鰹と昆布の出汁):適宜 ・塩、レモン汁、醤油:適宜 ・トマトペースト (完熟トマトの裏ごしまたは既製のトマトピューレを煮詰め、塩で味を調える) ※市販のトマトペースト、または省いても可 ・出汁ジュレ 200cc (下記作り方参照) |
作り方
1) | 出汁ジュレを作る a) 出汁(鰹節と昆布の出汁):200cc b) 薄口醤油(なければ濃い口で可):大匙1 c) 塩:一つまみ d) 日本酒:小匙2 ゼラチン5g a と d を火にかけて沸騰したら止めて温度が50~60℃に下がったらゼラチンを入れ、冷めたら冷蔵庫で固まるまで冷やす。 |
2) | 茄子を焼く。 ヘタと実の境目の皮にぐるりと切込みを入れ、魚焼きまたはオーブンで10分から20分焼き、柔らかく焼きあがったら皮を取り除く。 (焼く時間は大きさやオーブン温度による) |
3) | 茄子を焼いている間に、小柱にお酒を少々ふり蒸し焼きにする。 |
4) | 小柱の一部(大匙1~2)と皮を取り除いた茄子を一緒にミキサーでペースト状にして、出汁、塩、レモン汁で味を調える。お好みで醤油少々追加。 |
5) | ガラス器の底にトマトペーストを薄く入れ、4の茄子ペースト、小柱、出汁ジュレの順に盛り付けて冷蔵庫で冷やす。 |
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岡野 のり子[社長アシスタント・広報担当] NO WINE NO LIFE のノムリエ主婦から2005年にお酒の業界へ J.S.A.認定ワインエキスパート、SAKE DIPLOMA
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