「岡野亭の料理レシピ」[2019.07]

  横浜君嶋屋マリアージュコラム No.006

ほんのりスパイシーな夏野菜の甘酢風味


スパイスやハーブは食用、薬用、美容、観賞用と、古代エジプト文明の時代より珍重され、16世紀の大航海時代にはヨーロッパの国々で原産地を求めスパイス戦争が勃発するほど魅力的な植物だったようです。
日本の外来スパイス文化は主に15世紀以降に伝わったと言われ、その中でもポルトガルまたは朝鮮から伝わったとされる唐辛子は、蕎麦に欠かせない薬味として江戸時代に根付きました。宿場町だった内藤新宿(東京の新宿・四谷周辺)は江戸唐辛子の一大産地で、内藤とうがらしの名で地域ブランドとして確立していたそうです。
今回はそんな歴史を持つスパイスやハーブを夏野菜に軽く使った簡単な肴をご紹介します。
ラタトゥイユに似ていますが、酢を入れて仕上げにスパイスもほんのりと効かせた岡野亭オリジナルメニューです。とてもシンプルなレシピですが、鶏や魚のソテーのメインディッシュに添えれば更に素敵な一皿になります。
翌日から味が馴染み、冷蔵保存で5日前後は日持ちしますので作り置きしておくと便利です。

ほんのりスパイシーな夏野菜の甘酢

材料


夏野菜

【A】
・にんにく 1/2片
・鷹の爪 1本
・オリーブオイル 適宜(たっぷり)
・茄子 2本
・ズッキーニ 2本
・パプリカ 3個
・玉ねぎ 1個

【B】
・トマトピューレ 100cc位
・酢 30cc
・メープルシロップ 10cc
・ローリエの葉 1~2枚
・ローズマリー 一枝 
・塩・ブラックペッパー適宜

【C】
・オレガノ
・パウダースパイス
(コリアンダー、クミン、ガラムマサラ、パプリカなど)

作り方


1)
潰したにんにく、唐辛子、たっぷりのオリーブオイルを入れて弱火でゆっくり火を通し、オイルに香りを移す。
※唐辛子
中南米原産のナス科の植物。大航海時代にスペインやポルトガルがヨーロッパに持ち帰りその後世界中に伝わったとされ、現在では数千種類あると言われています。

※鷹の爪
日本で最も馴染みのある辛味唐辛子の品種名

2)
茄子、ズッキーニ、パプリカ、玉ねぎを順番に、オリーブオイルが足りなければ足しながらしっかり炒める。

3)
(B)を入れて絡めながら煮過ぎないように火を通し、オレガノを指先で揉みながら入れる。
馴染んできたら塩・ブラックペッパーで味を調える。
※オレガノ・・・古代エジプトのパピルス文書に薬草として記録されています。

※枝付きドライオレガノ
イタリア食材店や百貨店イベントなどで購入できます

4)
最後にスパイスを軽く振り全体をまぜたら出来上がり。




おススメのワイン

ナナジュウ
ナナジュウ(佐多宗次商店 / 鹿児島)
間接蒸留を用いたことでよりシャープでキレのある味わい。
上品な芋感が味わいが夏野菜とマッチし、特にオリーブ オイルやスパイスと好相性。 飲み方としてはソーダ割り、もしくは水割りで爽やかにお楽しみ下さい。
パトリモニオ・ロゼ / Antoine Arena
パトリモニオ・ロゼ / (ドメーヌ・アントワーヌ・アレナ/ 仏、コルシカ島)
優しくボリュームのある果実味で酸味もあり、パプリカや玉ねぎの甘み、 トマトの味わいよくマッチします。

 

岡野 のり子[社長アシスタント・広報担当]
 NO WINE NO LIFE のノムリエ主婦から2005年にお酒の業界へ
 J.S.A.認定ワインエキスパート、SAKE DIPLOMA

 

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